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2013.4.21


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 最後の3発旅客機、マクドネル・ダグラス MD-11型機。

DC−10から受け継がれし垂直尾翼に突き刺さる第2エンジン。

さらに機体のストレッチとウィングレットが追加され、航続距離を延長させた長距離大型旅客機です。

大変美しいシルエットと独特の形状ゆえか、航空ファンからの人気も高い機種ですが、

セールス的には失敗。世界で200機を販売するにとどまりました。

 

日本では唯一日本航空が、国際線向けDC−10の後継機種として10機を採用。

10機それぞれに、絶滅が危惧される鳥の名称をつけ、J−Birdの愛称で運航していました。

しかし時代は3発機→2発機。

10年を立たないうちに日本航空から姿を消し始め、就航からわずか11年目にして日本航空を全機が飛び立っていきました。

 

 

 

福岡空港でしか撮影をしたことがなかった当時、

J−Birdは『あこがれの機種』でした。

 

在籍は10機だけ。加えて国際線専用機だったため、

成田・関西以外の空港ではほとんど見ることができず仕舞い。

   

・・当時学生でしたが、ある日偶然に見つけた「月刊エアライン」についていた国内線時刻表。

そこには、J−Birdの国内線間合い運用

 

7時15分前後出発の成田行

8時30分前後出発の関空行。

(いずれも当時)

 

この2便は、もともと国際線機材が間合い運用でやって来る便。

そこを狙えばJ−Birdが見れる!

 

しかし日替わりと言ってよいほど、機種が固定されていない便。

MD−11を期待して早朝の空港に駆けつけますが、

B767−200や、B747−300を見て涙したことも数回にあらず。。

 

串刺しの第二エンジンと、すらりと伸びた機体、翼の上下に伸びたウィングレット。

J−Birdの魅力は、希少性だけでなく、美しいシルエットに尽きます。

 

愛称だけでなく、自身も「希鳥」だったJ−Birdこと、日本航空MD−11型機。

福岡空港で追いかけていた時の記録です。

 

 

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朝の福岡空港第2ターミナル。

空港までの通い路は、MD−11の滞泊を祈りっぱなし。

 

展望デッキに上がり、

尾翼のJ−Birdを目にできた時の喜びは、文字にできません。

 

 

JA8588 9号機 オジロワシ

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初めてMD−11を見たのは、

福岡発のデンパサールチャーター便でした。

生で見たJ−Birdに、思わず一目ぼれでした。

 

 

JA8589 10号機 ライチョウ

 

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朝一のレインボーセブンが飛び立つ後ろで、

関空行のMD−11が第二ターミナルに引っ張られていきます。

 

 JA8585 6号機 クマタカ

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上の写真の続き。

この時は一眼レフを持っておらず、コンパクトカメラで撮っていました。

 

 

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福岡空港レアイベント、J−Birdの2機並び。

 

まれに、成田行・関空行の両方がMD−11で運行される日があり、

その朝は福岡で2機が並びました、

 

10機しかいない国際線専用機が、国内線での2機並び。

 

 

当時はインターネットでの情報交換もまだまだ黎明期で、

「月刊エアライン」で事前に情報収集をしたうえで、

直接足を運んでいました。

 

 

出発時間が1時間異なることから、きれいな並びはなかなか撮れませんでした。

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斜めなうえに、あまりよろしいアングルではありませんが・・。

 

JA8585 6号機 クマタカ  

JA8582 3号機 タンチョウ(?)

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1タミ側の9番スポットに止まるMD−11。

こちら側のスポットにも止まれるんですね。

 

初冬の寒空をバックに、飛び立っていきました。

 

 JA8584 5号機 ヤンバルクイナ

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短期間でしたが、福岡〜香港線に固定運用でMD−11が入っていました。

(2002年〜2003年前後??)

 

国際線でナイトステイするMD−11を見ることができました。

国内線と違い、スッキリした風景で見るJ−Bird。

 

・・月並みな反省の弁ではありますが、

なんでもっと撮りにいかなかったんだろう・・。

 

 

 JA8588 9号機 オジロワシ

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朝の香港行、出発準備中です。

 

この福岡〜香港線も、2005年10月を最後に運休となってしまいました。

 

撮影当時は、JALのソウル線・香港線・ホノルル線、ANAの青島線など、

国内キャリアによる福岡発着国際線も就航。

 

今では海外勢の天下となってしまいました・・。

 

 

 成田空港 J−Bird

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成田空港で撮影したJ−Birdです。

 

JA8586 7号機 コウノトリ

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 デルタ航空のMD−11と並び。

 

JA8587 8号機 ノグチゲラ

 

 

 

J−Bird→サンアーク(JA8582)

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引退が進んでいたJ−Bird。

しかしJA8582の1機だけが、引退前に日本航空新塗装(通称サンアーク)に塗装変更されます。

 

「月刊エアライン」でそのニュースを見、もう福岡では見ることができないだろうと思っていた矢先・・、

確認させて頂いていた、あるホームページより

同機が福岡に夜間滞泊中とのニュース。

しかも天気予報は未明から九州北部にて積雪。

 

これはとんでもない景色になるかもしれない・・。

 

・・第2ターミナルの展望デッキ閉鎖により、

やむを得ず第1ターミナルからの撮影です。

雪の福岡市街をバックに、サンアークのMD−11がタキシング。

 

JA8582 3号機 元タンチョウ(サンアーク塗装)

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ほぼ定刻でテイクオフ。

機体下まで雪の反射で光が回り込み、いつにない離陸を撮ることができました。

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ラスト1機だけが動いていた、引退までの数か月間。

 

ちょくちょく福岡にやってきていました。

 

後継機種のB777と一緒に。

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 朝日を浴びて福岡空港を離陸。

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 第2エンジンからのブラストが特徴!

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34エンド、野球場横からの撮影です。

思ったよりエアボーンが早く、小さくしか写せませんでした(泣)

 

 

 DC−10の後継機種として導入されたはずのJ-Bird。

先輩より1年早く、2004年にJALを卒業となりました。

 

・・こんな運命をだれが想像したでしょうか?

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先輩のDC−10と一緒に。(MD−11 福岡ー香港線/DC−10 福岡ーホノルル線)

日本航空新旧3発機の並び。後にも先にも、撮れたのはこの夜の1枚だけです。

 

 

 

福岡空港に整列する、日本航空、当時のエース達。B747、MD−11、B777−300

この写真を撮った10年後。

このうち2機種が居なくなり、経営破たん陥り・復活し、塗装が2度変わり・・。

日航、激動の10年間のプロローグ。このJ−Birdの退役から始る結果となりました。

 

 

ただ見てカメラを向けていただけでしたが、特別な飛行機でした。

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