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福岡県南部・熊本県北部に展開する西鉄バス路線網。

 

炭鉱都市として栄えた、大牟田を中心とした系統。

水郷大川・柳川を中心とした系統がそれぞれ展開されています。

 

2004年までは久留米〜大牟田系統のロングラン系統も存在したことから、福岡市〜大牟田市を下道経由の路線バスだけで乗り継ぐこともできましたが(*1)、現在は大牟田地区で独立した路線網となっています。(*2)

(*1)天神〜大橋〜月の浦〜下大利〜二日市〜杷木〜浮羽〜久留米〜大牟田等の経路がありました。

(*2)高速バス路線を用いた福岡〜大牟田間のバス移動は可能です。

 

県南地区の方向幕をご紹介します。

 

 

 ●更新日 :2012年10月14日 

 ●掲載地区:柳川市、大川市、大牟田市、筑後市、熊本県荒尾市、熊本県南関町

 ●担 当 :大牟田・大川・筑後(旧荒尾・上内)

 ●地域特性:地域都市、工業都市、水郷都市、農業地帯

 ●沿線要所:水郷柳川川下り・大川筑後川昇開橋・三池炭鉱・船小屋温泉

 

■柳川・大川地区

佐賀〜瀬高 急行線 (国鉄佐賀線代行バス)

 

国鉄佐賀線(鹿児島本線瀬高駅〜長崎本線佐賀駅)が廃止された際に、代替バスとして登場した系統です。

西鉄・堀川バス・佐賀市営の3社共同運行でした。

 

1987年に運行を開始しますが、佐賀〜柳川間は下記の準急に統合、柳川〜瀬高間は堀川バスの一般系統に分割され、急行系統は廃止されます。

 

交換での頂きものの幕ですが、光穴検知タイプとなっていることから、ハンペン車に搭載されていた幕ではないかと考えられます。

 

佐賀〜柳川 準急線 (国鉄佐賀線代行バス)

 柳川〜大川〜佐賀を結んでいた準急便です。

西鉄唯一の「準急」便でした。

優等系統を名乗ってはいますが、全区間を並行する各停便はありません。2000年代に入り、準急が取れ、下の無番各停便に格下げされました。

 

(左)佐賀方面からの大川営業所止の幕が用意されています。

(右)矢加部バイパス経由の幕。幕で初めて存在を知りました。

 

新聞報道で『採算以前の問題』と書かれ、1998年に運行を開始するも短命に終わった柳川〜佐賀空港線も、準急を名乗っていました。

 

西鉄柳川駅で待機する佐賀駅行(8246号車)と、短命だった佐賀空港行(2814号車)。

佐賀駅行きの横幕です。他の佐賀行き系統と異なり、第二合同庁舎までは乗り入れしていません。

佐賀駅バスセンターで待機する柳川行(2318号車)。

旧タイプの準急幕。58MC最初期のグループの7826号車。

左上の幕と比べて、経由地の標記が異なっています。

各停格下げ後の無番幕です。

 

佐賀〜柳川線 (国鉄佐賀線代行バス) 

上記の準急が取れた各停便の幕です。

無番ではありますが、大川・柳川地区の西鉄バス路線では最も本数の多い系統です。

 

柳川では30分おきに運行される天神発の西鉄特急に接続しています。

 

佐賀〜柳川線 

 大川〜柳川間の区間便の幕です。

 

(左)2011年に配された筑後川昇開橋行のコマが残っています。

(右)大川橋=大川営業所が位置しています。2010年に廃止された布橋循環の幕も残っています。

(左)若津行に「筑後川昇開橋」の表記が追記されたのは比較的最近の事です。

 

(右)布橋循環はラッシュ時にのみ運行される近距離の循環路線でした。

 古めのハンペン幕?です。

 

西鉄ストア大川店は、準急などが走る208号線よりも一本南側の銀座通りに位置し、バスの発着点ともなっていました。

現在の西鉄ストアは、筑後川に近い明治町にあります。

 

■大牟田・荒尾・筑後船小屋 地区

大 牟 田 市 内 線

大牟田市内を走る主力系統、2番・4番・5番・7番です。2009年に熊本県内唯一の西鉄バス営業所だった荒尾営業所が廃止されるまでは、同所の担当でした。

経由地に赤い横棒が入る独特の経由地表記です。

 

2番・・川尻校経由です。近年久福木団地まで延伸されました。荒尾まで行かず、四ツ山下区で折り返す便もありました。

(左)荒尾〜大牟田間では天領経由となる4番です。

 

(下左・下中)荒尾〜大牟田間で最も東側の経路をたどる、原万田経由の5番です。

 

動物園経由便は、青文字で表記されます。

 

(下右)総合病院経由となる以外はほぼ4番と同じ経路をたどる7番です。

 

 

上 官 (有明高専) 線

 新栄町・大牟田駅から東側の野添・有明高専方面へ向かう15番です。以前は大型車がよく担当する路線でした。

 

新栄町から先・海側の小浜経由で大牟田営業所へ向かうコの字型に路線が伸びていました。

 

前幕の大牟田営業所行の表記は、大牟田地区ならではの独自のものです。

 15番の横幕です。

 

下は小浜経由で西鉄大牟田営業所まで路線が伸びていた頃のものです。

 

有明高専の通学時間帯には多くの便が運行されます。

 2001年のゆめタウン大牟田開業の頃だったかと思いますが、方向幕が色別となります。

 

ゆめタウン発着便がデビューします。

小浜経由については、後述の無番系統に分割されます。

  

大牟田駅前を走る8029号車。

 

 

 

 

 

上 官 (倉掛) 線

 

 

大牟田駅から南東部方向の倉掛地区に向かう系統です。

 

以前は倉掛から荒尾方面へ、三川町まで路線が伸びていました。

 

 

 

上 官 (帝京大学) 線

 大牟田駅から東方向へ、東谷・帝京大学方面へ向かう系統です。

 

基本は帝京大学福岡キャンパス行ですが、一部手前の東谷団地で折り返す便もあります。

 

帝京大学になる以前は、「帝京短大」行きでした。

 

上 官 (南関) 線

大牟田駅〜南関を結ぶ2つの系統のうちの一つ、正山経由の25番です。

 

路線上は一路線で表記されていますが、実際は途中の庄山で大型・中型車から小型マイクロバスへ乗り継ぎを行います。(運賃は通し計算)

 

以前は下でご紹介する無番系統でした。

 

吉 野 循 環 線

大牟田駅から北東方向の吉野方向へ向かう吉野循環線です。

 

吉野地区で時計回りとなる59番、反時計回りとなる57番と区別されています。

 

 少数便は、かつての上内営業所跡地の上内車庫まで足を延ばしていました。

 

・・余談ですが、この大牟田営業所の前幕・横幕は、西日本車体工業最終製造車輛見学ツアー(2010年・西鉄旅行主催)の際に、福岡高速営業所の方向幕販売会場で偶然手にできたものです。

方向幕にマジック書きで『壱岐』と書かれていたので、てっきり壱岐営業所の幕と思い購入し、自宅で見てみると大牟田幕が出てきたので大変びっくりしました(笑)

あと全く同じ後幕も手にしていたのですが、こちらには『新宮』のマジック書き!会場では「大牟田幕」と気づかず、その場で他の方にお譲りしました。・・その方も自宅で幕を開いたところ大牟田幕が出て来て驚かれたそうです。。

  

色分けは緑色となっています。

 

 

 

 

 

船 小 屋 線

久留米〜船小屋〜大牟田を結んでいたかつての幹線路線、50番です。

 

2004年以降、船小屋〜大牟田間が廃止され、以後は船小屋〜久留米地区の準幹線の役割を担っています。

筑後営業所唯一の担当路線です。

 

1997年に通し運行を取りやめ、久留米〜船小屋、船小屋〜大牟田間に系統分断されますが、1999年に再度直通系統が復活。また2001年に船小屋で路線分割。そして2004年に船小屋以南路線廃止の運命をたどります。

 

JR筑前山家駅前で保存されているカマボコ2745号車は、この50番で活躍していた車でした。

 

 (左・中)横幕です。大牟田〜信愛女学院を2時間近くかけてロングランする便もありました。

 

 

(下左・下・中)2001年の再度の系統分割後に大牟田持ちの車に用意されていた船小屋〜大牟田間の区間便用の幕です。

 

 

  

(下右)新フォント幕です。九州新幹線開業後は、筑後船小屋駅まで路線延伸されました。

 

 色分け前の50番の幕です。

 

信愛女学院行や久留米駅行の表記など、独特の物が交じっています。

 

色分け前には、筑後赤坂止めの系統も存在しました。

 横幕です。

 

経由地の「聖マリア」。

県外の方が見たら、不思議に思われたのではないでしょうか・・?

 ハンペンかかまぼこの手動幕です。

 

信愛女学院を名乗らず、「久留米営業所」行きとなっています。

 

偶然にも砂津チャチャタウンのバスの日イベントで購入しました。

  

西鉄久留米BCを出発する船小屋行(8027号車)

大牟田駅前を出発する久留米行(7943号車)

悪い写真ですが・・。JR久留米駅で大牟田駅行の幕を出す元福岡空港空連バス(8346号車)。

元空連バスの8347号車。車内にはロマンスシートが並んでいます。

JR久留米駅を出発する船小屋行。ドア周りが黒く塗られていない初期仕様です(8026号車)。

 

 

 

大牟田 〜 南関線

 大牟田と熊本県の南関町を結ぶ路線は2系統!

 

北回りの田隈・上内経由(現在の55番)。

南回りの勝立・庄山経由(現在の25番)。

 

以前は大牟田交通路線として無番で運行されていました。

 南関直通以外に、途中の上内車庫止め・庄山止の幕も用意されています。

大牟田交通子会社カラーのUD車です。ホイールキャップ装備等、豪華な仕様が目立ちます。

 

そ の 他 ・・ 1

勉強不足につき、詳細が良くわかりません。

 

1番・・4番と同じようにも思えますが・・。

30番・・「バイパス経由」。元村までは208号線を経由するという意味でしょうか・・?

 

グ リ ー ン ラ ン ド 線 など

 熊本県荒尾市に位置する九州最大級の敷地面積を誇るリゾートエリア。グリーンランド。

以前は産炭地の関係から「三井グループ」の経営でしたが、西部ガスグループに譲渡された関係で2007年に三井の名が取れることになりました。

・・2000年前後より、園内のホテルヴェルデまで路線が延長されています。

 

*アジアパーク。グリーンランドに隣接する1990年開業のテーマパークです。バス路線も一時期はアジアパークまで運行されていましたが、同園を運営していた第3セクターの破たんにより、再びホテルヴェルデ止めとなりました。

 

*三池港。大牟田〜島原間の船舶に連絡するシャトル便です。現在は島原鉄道の高速船が運行され、西鉄電車では福岡〜島原間の電車・バス・船舶込の割引切符も販売されています。

  

大牟田駅前で出発を待つアジアパーク行(6430)。

 三池港シャトル用の子会社塗装の96MC大型車。

青帯の96MCは、西鉄でもこれ1台だけです。

 

 

 

そ の 他 ・・ 2

 

その他の無番路線です。

 

*大牟田西駅〜総合庁舎。

ラッシュ時運行の便です。西駅=大牟田駅西口の意味です。

 

*ネーブルランド〜大牟田駅。

1995年に開業したテーマパークで、わずか3年で閉園に追い込まれた第3セクターの事例としての方が有名になってしまいました。

正式名称はネ「イ」ブルランドのようです。

 

・・閉園後も設備がそのままゴーストタウンのように残り、近年は『近代廃墟』として専門書籍に紹介されるほど、ある方面で著名度が上がっていました。

・・新聞報道によると、跡地が15年ぶりに活用されることが決まり、解体されることになったそうです。

 

 ゆめタウン開業後に、15番の大牟田営業所〜小浜〜新栄町の代替として登場した系統です。

ゆめタウン系統として走っていましたが、現在は廃止されています。 

 

(左)大牟田営業所・・1995年頃撮影

(右)大牟田営業所・・2012年撮影

 

産炭地の低迷・観光産業を目指した第3セクター遊園地の相次ぐ破たん・駅前商店街の壊滅等、暗い話題の多い地域ではありますが・・。

 

その中でも、ショッピングモールの進出や九州新幹線の開業等チャンスをつかみ、地域の足として活躍を続ける西鉄バス。

趣味的にも、西鉄電車や九州新幹線と一緒に乗り歩きを楽しめる地区です。

 

・・50番

(柳川地区の方向幕について、A様に心より御礼申し上げます。)