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バスの内装。バスを利用する立場にとっては、外観よりも重要な「中身」。 普段はなかなか撮影できないものですが、撮影会や貸切ツアーの際に写真に収められたものなどをご紹介します。
2014年に登場した、言わずと知れた西鉄バスのフラッグシップ。 パールホワイトの下地にゴールドのロゴを入れた豪華仕様車です。 車内は夜行バスとして「超長距離仕様」に相応しく、前方4席(2列×2席)は個室型のシート、 後方は夜行バスとして一般的な独立3列シートが並んでいます。 ■個室型シートは、マジカルテクニカ製のA380シートを採用。 リクライニングは勿論、マッサージ機能、シートヒーター等を搭載。 ■決して広くはありませんが、各所に収納や照明が設けられ、座っている限りでは実際のスペースよりも、 相当に広く感じられます。天井も高く感じられ、夜行バスにありがちな圧迫感はありません。 足元にあまり余裕がないので、大きな手荷物はトランクに預ける事をお勧めします。 ■運行中は個室と通路の間に簡単なカーテンを引くことができます。 消灯時間に縛られることも無く、好きな時間に好きな体勢で好きなことができるのは、大変なメリットに感じられます。 ■後方の一般席(ビジネスシート)。赤・青それぞれをアクセントにしたデザインのシートが交互に並びます。 床は導入時点の他の西鉄高速バスと同じく木材調。 ■背面にはシートポケット等を組み込み。 ■ビジネスシート最前列。左側はトイレ。右側のふくらみはプレミアムシートの背面の被いです。 プレミアムシートからトイレに行くには、少しばかり導線に難儀しそうです。 ■杉本のスリーピングシートと比べるとシンプルになった反面、解放感があります。
当時としては6年ぶりに導入された「はかた」号の本務車。 西日本車体工業製のSD−?を引き継いでいますが、あの杉本工業の廃業により、 座席は元祖スリーピングシートではなくなってしまいました。 ■独立3列が並ぶ車内。枕は可動式ですが、以前の棒状→長方形に形状変更。 個人的には、以前の棒状の方が首にピッタリとフィットしてしっかり眠れます。 ■足元が狭くなりがちなことから、ハズレ席とも称される通路側最前列「1B」席。 他の席に比べどうしても足元が狭くなりますが、フットレスト、ドリンクホルダー、シートポケットが機能的に配置されるなど、 居住性確保に向けた最大限の努力が見れます。西日本車体工業ならではの仕上げです。 ■トイレ兼、非常口への階段。サービスコーナーが廃止され、シンプルな構造に。 手すりの配置一つ一つに工夫がなされています。 ■最後列。リクライニングをしっかりと倒せるように背もたれが当たる部分が少しくぼんでいます。
3801・3802の翌年に導入されたはかた号本務車。 事情によりスーパーハイデッカーでこそありますが、SD−?での導入となりました。 やや車高が低いのが特徴的です。 ■独立3列シートが並ぶ車内。こちらは赤を基調とした優雅なデザイン。 肘掛下には、SOSボタンを設置。 ■西日本車体工業の特徴、1A席の足元を大きく確保する構造は健在。 窓下にはコンセントも後付けで設置されています。 天井回り。主たる照明は白熱色のダウンライト。 中央のレールは個室カーテン用。空調の吹き出し口を中央に設置するのはこのためです。 ■ダウンライトを点灯させた車内。中央より後方。 ■現在新造されるどの夜行車にも無いムードが漂います。 ■非常口回り。保温性確保のため窓の上下が狭められていますが、内側はちゃんと内装材で仕上げられています。 ■トイレ兼非常口回り。コンパクトに機能的に設計されています。 ■トイレの入り口。ドアの構造は慣れないと少し迷います。 ■トイレ内部。手洗いや消毒液も完備されています。★同車を貸切した上で撮影しています
6年間の長きに渡りフラッグシップの役目を果たし、はかた号の本務機として第一線で活躍をつづけた3240号車。 数々の書籍やメディアにも登場した著名な車両です。 車内は夜行車としては一般的な独立3列シートではありますが、超長距離路線に相応しく、 眠りに関しては第一級の杉本スリーピングシート、後部談話室を装備します。 ★貸切ツアーの際にフルリクライニングの座席や、車内の様子を撮影しています。 ■青系のシートと茶色系の内装でまとめられた車内。独立3列シートが後部まで並ぶ仕様です。 ■側面窓は上下の寸法を抑えた仕様。座席との関係はこのような雰囲気。思ったより眺めは良いです。 ■杉本スリーピングシートの本領発揮。リクライニングを最大限まで倒すと、このような状態になります。 フットレスト・レッグレストはもちろん、腰の部分が持ち上がることで、より水平に近い姿勢を実現します。 ■フットレストは前席への収納式。ふたを開いて靴を脱いで足を入れます。 ドリンクホルダーはこのフットレストの横に装備。 ■トイレ後方の座席。足元に切れ込みが入れられ、足を延ばせるようになっています。 テーブルは窓側の壁に収納(切れ込みが入っている部分) ■1B席。足元が若干狭くはありますが、大型のカバーを取り付け、 その先にフットレストを設けるなど、最大限の工夫がなされています。 ■はかた号のデビュー時、後方はサロン室として設置されていました。 90年代後半にかけ後部談話室として機能こそ簡略化されます。この3240号車にも、中央列最後部座席は、 談話室として乗客が自由に利用できる空間となっています。 ■談話室を横から。リクライニングこそしませんが、大きな座席が配置されます。 3240号車を使った貸切ツアーの際は、よく荷物置き場になっていました。。 ■トイレ後方のサービスコーナー。西鉄夜行バスの標準装備だった仕様です。 今のようにコンビニでいれたてのコーヒーが買えなかった時代、非常に価値あるものだったと思います。 ■トイレ上部には、おしぼり入れと車内装備のテレビ。 パナソニック製のブラウン管型テレビが、時代を感じさせます。 ■後方席より前方を。夜行車の雰囲気です。(昼行の貸切ツアーの際のヒトコマ) ■夜はダウンライトが車内を優しく照らす、旅情に溢れた光景でした。
九州内長距離路線の代表格だった、火の鳥カラーの西工スーパーハイデッカー。 92MCマスクとしては最終増備されたグループの一台です。 JR特急との熾烈な競争に挑むため、グリーン車かそれを上回る贅沢な内装です。 これは標準装備にした、当時の西鉄バスの本気と意気込みを感じます。 ■ゆったりとした偏心3列シートが並ぶ車内。座席はグレーをベースとした落ちついた柄。 ■注目すべきは中央肘掛の分厚さ!役員応接室のような座席幅と相まって非常に高級感があります。 ■背面にはお馴染みのテーブルとフットレストを装備。 ■走行シーン。これほどゆったりした車であれば、4時間程度の乗車であれば、満席でも苦になりません。 ■一人掛けのシート。はるか頭上まで広がる大きな一枚窓。 珈琲でも飲みながら、九州路の景色を眺めながら過ごすひととき、、なんと贅沢な時間でしょうか。。 ■珈琲、お茶、お湯。サービスコーナーも設置されていますが、今ではただの空き箱に。。
九州内長距離路線の置換用に増備された、スーパーハイデッカーの02MCです。 重厚な偏心3列シートが並ぶ車内は、この世代の車にも受け継がれています。 ■明るいグリーンをベースにした内装。身を任せるには十分に大柄なシートです。 ■天井にはラインライトが並びます。 ■座席を上から。普通の4列シートの座席幅は、このレッグレストほどでしょうか。 いかにシート幅が巨大であるか良くわかります。 ■1A席。夜行車と同じく、前方視認性はやや落ちますが、足元を広くとった設計です。 スーパーハイデッカーの先頭に突き出るように配置された座席、展望に優れています。 最後列非常口回り。3列幅の座席が4列並んでいます。 トイレ回り。車輛ドア側の中央下部に設けられています。
九州内長距離路線について、2005年以降の新車は、スーパーハイデッカーではなくハイデッカーで増備されるようになりました。 しかし重厚な偏心3列シートは健在。大型一枚窓と相まって、車内の居住性はスーパーハイデッカーと遜色ないように調えられています。 この6016号車は、2011年のフェニックス号ダイヤ改正に伴い、セレクトシートへ改造(後方半分を4列シートへ)された1台です。 後方の4列シートは通常席と比較して割引運賃で販売されます。 ■青をベースとした車内。重厚なシートにそれを大きく覆う白いシートカバーも健在です。 後方が4列シートになっています。 ■3列シートと4列シートの狭間に設置されるミニテーブル。 ■ミニテーブルを裏側から。小ぶりなポケットにドリンクホルダー手すりが設置されています。 全面展望によさそうですね。。 ■1A席まわり。ハイデッカーながら、大型の一枚窓(拡大タイプ)、プラグドアの大型窓もあり、 非常に明るく開放的な雰囲気です。昼行便として乗るのであれば、夜行仕様よりも快適なように思います。
九州内長距離用として2005年〜2010年にかけて増備された、ハイデッカー偏心3列シートを装備する1台。 福岡〜鹿児島線「桜島号」で活躍していました。 ■青をベースにした内装。大型の偏心3列シートが車両後方まで整然と並びます。 ■スーパーハイデッカーと比べて床面もフラットなため、車内がより落ち着いて見えます。 ■肘掛の幅は以前のスーパーハイデッカーほどではなくなりましたが、 他人が横2列に座っても、必要以上に気にしなくて良い幅が確保されています。 ■座席背面。シンプルな構造です。 肘掛の背面に被いが取り付けられて、良い目隠しになっています。 ■天井面。ラインライトに網棚、網棚部分に降車ボタンが設置されるタイプです。 ■座席横には、リクライニングレバー、TV音響用のスイッチ、イヤホンジャックが取り付けられています。
2003年に突如デビューした、現代自動車(韓国)の高速バス。 この当時、ヒュンダイ車が全国各地で導入され、西鉄でも2台が導入されましたが、 数年で導入の波は終焉を迎え、西鉄でも以後増備されることはありませんでした。 車内は西鉄で一般的な九州内中距離仕様(4列シート・後部トイレ)です。 ■同時期の西鉄高速バスでおなじみの、ブラウン系で統一された内装。 補助席も設置されています。 ■背面。黒の一体パーツでポケットやドリンクホルダーが設置されています。 ■最後部。この世代のヒュンダイ車でおなじみの、高床式! 座席は盛り上がった床面に直接取り付けられています。 トイレは国産と反対側の運転席側に設置されています。 ■ドア側最前列。シンプルな1枚の仕切り板で隔てられ、前面展望も良好です。 ■運転席側最前列。見た目は国産車とそう変わらないようにも見えます。
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